年会費ありのカードは年間いくら使えば元が取れるか|32枚の減免条件と損益分岐
公開
ゴールドカードの年会費は、年間いくら使えば元が取れるのか。答えはカードごとに違い、「年会費が無料になる条件」と「年間ボーナス」でほぼ決まります。この記事では、Cardlyzeが扱う61枚のうち年会費がかかる32枚を、年会費が安くなる条件で4つに分け、元が取れる年間利用額を1枚ずつ計算します。
結論
- 32枚のうち5枚は、年1回使えば翌年の年会費が無料。元を取る必要がない
- 年間100万円使うなら、三井住友カード ゴールド(NL)とエポスゴールドカードは、2年目以降、年会費無料カードより年5,000円得
- PayPayカード ゴールドは年間100万円で差し引き±0。100万円に届かなければ年11,000円の損
- 三井住友カード プラチナプリファードは年間400万円で+7,000円。300万円以下では赤字
- 還元率0.5%のカードは使いすぎると逆に損をする。条件の金額ちょうどまで使い、残りは還元率1.0%のカードで払うのが最も得
- JCBゴールド・SAISON GOLD Premium・dカード GOLDは、普通の買い物だけでは元が取れない
比べる相手と計算のルール
「元が取れる」かどうかは、何と比べるかで変わります。この記事では、年会費無料で還元率1.0%のカード(楽天カード・JCB CARD W など)と比べます。年会費がかかるカードを持つかどうか迷っている人の多くは、こうしたカードを代わりに持てるからです。
- 元が取れる=そのカードの「通常の還元+年間ボーナス−年会費」が、無料1.0%カードの還元以上になること
- 特定の店・サービスでの上乗せ(コンビニ、携帯料金、楽天市場など)は含めない。どこでも使う普通の買い物だけで比べる
- ポイントは1ポイント=1円で換算する
- 空港ラウンジや旅行保険などお金に換算しにくい特典は含めない(理由は後述)
計算のしかた:三井住友カード ゴールド(NL)で年100万円使う場合
具体的に1枚計算してみます。三井住友カード ゴールド(NL)は年会費5,500円、還元率0.5%で、年間100万円使うと毎年10,000ポイントがもらえ、翌年以降の年会費が永年無料になります。
- 通常の還元: 100万円×0.5%=5,000円
- 年間ボーナス: 10,000円
- 年会費: 1年目は5,500円、2年目以降は0円
- 差し引き: 1年目は5,000+10,000−5,500=9,500円、2年目以降は15,000円
- 無料1.0%カードなら: 100万円×1.0%=10,000円
- 差額: 1年目は−500円、2年目以降は+5,000円
このように、年会費が無料になるのは条件を満たした「翌年から」なので、1年目はほとんどのカードで赤字になります。以下の表は、特に断りがない限り、条件を満たし続けた2年目以降の数字です。
32枚を年会費の条件で分ける
年会費の条件で32枚を分ける
年1回使えば翌年無料の5枚
この5枚は、年に1回でも使えば翌年の年会費がかかりません。元を取るという考え方自体が要らないカードです。ただし1年まったく使わないと年会費がかかるので、公共料金などの引き落としを1つ入れておくと安心です。
| カード | 年会費(通常) | 無料になる条件 |
|---|---|---|
| ビックカメラSuicaカード | 524円 | 初年度無料。2年目以降も年1回のクレジット利用で次年度の年会費524円が無料 |
| セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード | 1,100円 | 初年度無料。年1回(1円)以上のカード利用で翌年度も無料 |
| ENEOSカード S | 1,375円 | 初年度無料。年1回以上のカード利用(Apple Pay・QUICPay・ETC含む)で次年度の年会費も無料 |
| セゾンローズゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード | 11,000円 | 年間1回(1円)以上のカード利用で翌年度の年会費無料 |
| ヤマダLABI ANAマイレージクラブカード セゾン・アメリカン・エキスプレス・カード | 2,200円 | 初年度無料。年間1回以上の利用で翌年度の年会費無料(通常2,200円・税込) |
年間の利用額で無料・相殺・減額になる7枚
元を取るかどうかを本気で考えるべきなのは、この7枚です。条件の金額に届くかどうかで、得にも損にもなります。
| カード | 年会費 | 年会費の条件 | 元が取れる年間利用額(2年目以降) |
|---|---|---|---|
| dカード GOLD U | 3,300円 | 年30万円以上の利用などで、翌年の請求で年会費を差し引く | 30万円(±0) |
| エポスゴールドカード | 5,000円 | 年50万円以上で翌年以降永年無料 | 50万円(±0)、100万円で+5,000円 |
| スルガJCBカード | 1,375円 | 年50万円以上の利用とMyJチェックの登録で翌年無料 | 元が取れない(還元率0.5%) |
| 三井住友カード ゴールド(NL) | 5,500円 | 年100万円で翌年以降永年無料 | 100万円(+5,000円) |
| SAISON GOLD Premium | 11,000円 | 年100万円以上で翌年無料 | 元が取れない(還元率0.5%) |
| PayPayカード ゴールド | 11,000円 | 年100万円以上で年会費相当の11,000ポイント | 100万円(±0) |
| エポスプラチナカード | 30,000円 | 年100万円以上で翌年以降20,000円に減額 | 200万円(±0)、300万円で+5,000円 |
年間の利用額ごとの損益
普通の買い物をすべてそのカードで払った場合に、無料1.0%カードと比べていくら得か・損かを、年間利用額ごとに計算しました。線が0より上なら元が取れています。
年間利用額ごとの損益(2年目以降・年会費無料1.0%カードとの差)
- 三井住友カード ゴールド(NL)
- エポスゴールドカード
- エポスプラチナカード
- 三井住友カード プラチナプリファード
- JCBゴールド
横軸の単位: 万円
| カード | 50万円 | 100万円 | 200万円 | 300万円 |
|---|---|---|---|---|
| 三井住友カード ゴールド(NL) | −8,000円 | +5,000円 | ±0円 | −5,000円 |
| エポスゴールドカード | ±0円 | +5,000円 | ±0円 | −5,000円 |
| PayPayカード ゴールド | −11,000円 | ±0円 | ±0円 | ±0円 |
| dカード GOLD U | ±0円 | ±0円 | ±0円 | ±0円 |
| エポスプラチナカード | −29,500円 | −5,000円 | ±0円 | +5,000円 |
| 三井住友カード プラチナプリファード | −33,000円 | −23,000円 | −13,000円 | −3,000円 |
| SAISON GOLD Premium | −13,500円 | −5,000円 | −10,000円 | −15,000円 |
| JCBゴールド | −12,500円 | −13,000円 | −14,000円 | −11,000円 |
| カード | 50万円 | 100万円 | 200万円 | 300万円 |
|---|---|---|---|---|
| 三井住友カード ゴールド(NL) | −8,000円 | −500円 | −5,500円 | −10,500円 |
| エポスゴールドカード | −5,000円 | ±0円 | −5,000円 | −10,000円 |
| PayPayカード ゴールド | −11,000円 | ±0円 | ±0円 | ±0円 |
| dカード GOLD U | ±0円 | ±0円 | ±0円 | ±0円 |
| エポスプラチナカード | −29,500円 | −15,000円 | −10,000円 | −5,000円 |
| 三井住友カード プラチナプリファード | −33,000円 | −23,000円 | −13,000円 | −3,000円 |
| SAISON GOLD Premium | −13,500円 | −16,000円 | −21,000円 | −26,000円 |
| JCBゴールド | −12,500円 | −13,000円 | −14,000円 | −11,000円 |
1年目から元が取れるのは、エポスゴールドカード(100万円で±0)、PayPayカード ゴールド(100万円で±0)、dカード GOLD U(30万円で±0)、三井住友カード プラチナプリファード(400万円で+7,000円)の4枚だけです。それ以外は1年目は赤字で、2年目以降に回収する形になります。
使いすぎると逆に損をする
グラフを見ると、三井住友カード ゴールド(NL)とエポスゴールドカードの線は、100万円を超えると下がっていきます。還元率が0.5%なので、ボーナスの条件を超えた分は、1.0%のカードより0.5%ずつ損をするからです。三井住友カード ゴールド(NL)の2年目以降なら、100万円で+5,000円、200万円で±0、300万円で−5,000円です。
いちばん得なのは、条件の金額ちょうどまでをそのカードで払い、残りを還元率1.0%のカードで払う使い方です。年200万円使う人なら、こうするだけで年5,000円の差が出ます。
年200万円使う人の払い分け(三井住友カード ゴールド(NL)・2年目以降)
- ゴールド 100万円
- 無料1.0%カード 100万円
エポスゴールドカード(100万円)、エポスプラチナカード(300万円)も同じ考え方です。ただし年間利用額の条件は「そのカードで払った額」で判定されるので、払い分ける場合も条件の金額は必ずそのカードで払ってください。
2年目以降も毎年かかる20枚
残りの20枚は、2年目以降は毎年年会費がかかります(初年度無料のものや、リボ払いの登録・特定施設の利用で優遇されるものを含みます)。どれも通常の還元率が1.0%以下で、年間ボーナスが無いか足りないため、普通の買い物だけでは年会費を回収できません。
| カード | 年会費 | 基本還元率 |
|---|---|---|
| ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード | 66,000円 | 円換算しない(ヒルトンのポイント) |
| 三井住友カード プラチナプリファード | 33,000円 | 1% |
| ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・カード | 16,500円 | 円換算しない(ヒルトンのポイント) |
| dカード GOLD | 11,000円 | 1% |
| 楽天プレミアムカード | 11,000円 | 1% |
| au PAY ゴールドカード | 11,000円 | 1% |
| 三菱UFJカード ゴールド | 11,000円 | 0.5% |
| JCBゴールド | 11,000円 | 0.5% |
| ビューカード ゴールド | 11,000円 | 0.5% |
| セゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード | 11,000円 | 0.75% |
| 楽天ゴールドカード | 2,200円 | 1% |
| Orico Card THE POINT PREMIUM.GOLD | 1,986円 | 1% |
| ENEOSカード C | 1,375円 | ポイントなし(ENEOSでの給油の値引き) |
| ENEOSカード P | 1,375円 | 0.6% |
| Nexus Card | 1,375円 | 0.5% |
| 東急カード(TOKYU CARD ClubQ JMB) | 1,100円 | 1% |
| ルミネカード | 1,048円 | 0.5% |
| ビューカード スタンダード | 524円 | 0.5% |
| JRE CARD | 524円 | 0.5% |
| カワトクカード | 150円 | 0.5% |
これらは特定の店やサービスで大きく上乗せされる人向けのカードです。たとえばdカード GOLDは、ドコモの携帯料金に税抜金額の10%が付きます。年会費無料のdカード(1.0%)との差で年会費11,000円を回収するには、ドコモの料金が月11,331円(税込)以上必要です。前年100万円利用の特典(最大10,000円相当)は、交換先によって額面を下回るため含めていません。
年会費が高いカードほど得、ではない
年会費が高いカードほど特典も大きい、というイメージがありますが、普通の買い物で比べると逆になることがあります。年100万円使う人の2年目以降で比べると、エポスゴールドカード(年会費5,000円→無料)は+5,000円、エポスプラチナカード(年会費20,000円に減額)は−5,000円です。プラチナが得になるのは年300万円前後からです。
お金に換算していない特典
ゴールドカードには、空港ラウンジ、旅行保険、ホテルの優待などの特典が付くことがあります。この記事ではこれらを金額に含めていません。使う人と使わない人で価値がまったく違い、一律の金額を置くと計算が実態から離れるためです。年に何度も空港を使う人は、上の計算に自分にとっての価値を足して判断してください。
よくある質問
- Q. 年会費無料で持てるゴールドカードは? — セゾンローズゴールド・アメリカン・エキスプレス・カードは年1回の利用で翌年の年会費が無料で、初年度も無料です。エポスゴールドカード(年50万円)と三井住友カード ゴールド(NL)(年100万円)は、条件を満たした翌年から永年無料になります
- Q. 1年目から元が取れるカードは? — エポスゴールドカード(年100万円で±0)、PayPayカード ゴールド(年100万円で±0)、dカード GOLD U(年30万円で±0)、三井住友カード プラチナプリファード(年400万円で+7,000円)の4枚です
- Q. 年会費無料カードとの差はどれくらい? — この記事で計算した中で最も大きいのは、三井住友カード プラチナプリファードの年400万円での+7,000円です。ゴールドカードの多くは、うまく使っても年5,000円前後の差です
- Q. 家賃や税金の支払いも年間利用額に入る? — カードによって違います。たとえばエポスカードは家賃保証サービス経由の家賃を年間利用額に数えず、PayPayカード ゴールドはPayPay残高へのチャージを特典の対象外としています。申し込み前に公式サイトで対象外の支払いを確認してください
注意点
- 三井住友カード ゴールド(NL)は、1年目は100万円使っても年会費5,500円がかかる。無料になるのは翌年以降
- エポスゴールドカード・エポスプラチナカードは、招待から入会すると最初から年会費が無料・20,000円になる
- dカード GOLD・dカード GOLD Uは、2026年12月以降の還元率・年会費の見直しが公式に予告されている
- SAISON GOLD Premiumの還元率0.5%は1ポイント=最大5円の前提。請求への充当は1ポイント=4.5円で、実際はさらに低い
- 三井住友カード(Vポイント)とPayPayカード(PayPayポイント)は、1ポイント=1円として計算している
- 還元率1.2%の年会費無料カード(リクルートカード)と比べると、元が取れる金額はさらに高くなる
この記事で比べたカード
自分の支出で計算する
Cardlyzeの「くわしく診断」で店ごとの支出を入れると、年会費と店ごとの上乗せ還元まで含めて、どのカードを何枚持つのが得かを計算します。
年会費・還元率・年間ボーナスの条件は、2026年9月21〜25日に各社公式サイトで確認した値です。条件は変更されることがあります。申し込みの前に必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。